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アメリカ向け食品の発送にFDA事前通告(PNC)が必要な理由と取得方法

アメリカへ食品を発送する際、多くのケースでFDA(米国食品医薬品局)への事前通告(Prior Notice)と、その確認番号であるPNC(Prior Notice Confirmation Number)が必要です。対象となる食品の範囲、個人ギフトが除外される条件、PNCの取得方法、未提出時のリスクまで一次資料にもとづき解説します。

公開: 最終更新: 読了目安 約6執筆: 深見裕介(Kohaku代表 / 国際発送支援サービスHassoo運営)
対象: アメリカ情報確認日: 2026年8月20日

アメリカへ食品を発送する際、多くのケースでFDA(米国食品医薬品局)への事前通告(Prior Notice)と、その確認番号であるPNC(Prior Notice Confirmation Number)が必要になります。個人が家族へ送る少量のギフトは対象外ですが、商業目的の発送であれば、事前通告なしに送ると貨物が税関で差し止められるリスクがあります。

この記事の要点

  • FDAの事前通告は、2002年のバイオテロ法にもとづく制度。人間用・動物用を問わず、アメリカへ輸入される食品が広く対象
  • 個人の自己消費用・家族向けギフトなど、非商業目的の少量発送は対象外
  • 事前通告を提出し、FDAに受理されるとPNC(確認番号)が発行される
  • PNCは貨物到着時にCBP・FDAへの提示が必須。国際郵便では税関申告書への記載も必要
  • 提出期限は提出方法・輸送手段によって異なり、航空便は到着4時間前までに確認が完了している必要がある
  • 未提出・不備の場合、貨物の差し止め・返送拒否・施設登録抹消などの措置につながり得る
  • 継続的に発送する事業者は、事前に食品施設登録(Food Facility Registration)とUS Agentの指定を済ませておくと安心

FDAの事前通告(Prior Notice)とは何か

事前通告制度は、2002年に制定されたバイオテロ法(Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act of 2002)にもとづき、21 CFR Part 1 Subpart Iで規定されています。テロ行為やその他の公衆衛生上の緊急事態から、アメリカの食品供給網を守ることを目的に導入されました。

CBP(税関・国境警備局)の協力のもと、FDAが輸入検査の対象をより効果的に絞り込めるようにするための仕組みで、食品がアメリカの最初の港に到着する前に、電子的に提出・確認を完了しておくことが義務づけられています。

対象となる食品の範囲

事前通告の対象は幅広く、次のようなものが含まれます。

  • 人間または動物の飲食に使用される物品
  • ガム
  • これらの製造に使用される原材料

つまり、一般的な加工食品・お菓子・調味料・健康食品・ペットフードなど、多くの品目が該当します。

事前通告の対象外になるケース

一方で、次のようなケースは事前通告の対象外です。

  • 個人消費用の食品(自分・友人・家族向け)
  • 居住地で製造された非商業用ギフト
  • 輸出予定でアメリカの港に留まるだけの食品
  • USDA(米国農務省)管轄の卵製品・家禽・食肉製品(FDAではなくUSDAの規制対象)
  • 外交特権で保護される食品

「留学生の子どもに実家から日本食を送る」「友人へのお土産を送る」といった非商業目的・少量の発送であれば、多くの場合この除外に当てはまります。ただし、販売目的や事業としての発送であれば対象になる点に注意してください。「量が少ないから大丈夫」という判断ではなく、あくまで目的(商業か非商業か)が基準です。

発送前の準備:食品施設登録とUS Agent

継続的にアメリカへ食品を発送する事業者の場合、事前通告の前段階として食品施設登録(Food Facility Registration)が必要になるのが一般的です。

海外の食品施設がFDAに登録する際は、米国内に居住または事業所を置き、実際にアメリカ国内に所在する代理人(US Agent)を指定しなければなりません。US Agentは、FDAと当該施設との連絡窓口としての役割を担います。この登録情報は、後述する事前通告の提出時にも参照されるため、発送のたびに慌てないよう、事業として発送を続けるなら早めに済ませておくと安心です。

個人の少量発送で前述の除外に該当する場合は、この登録は不要です。

事前通告の提出方法とタイミング

事前通告の提出方法は2通りあります。

  1. CBPのABI/ACE経由:通関業者を通じて提出。到着30日前まで提出可能
  2. FDAのPNSI(Prior Notice System Interface)経由:荷送人・輸入者自身が直接提出。24時間365日利用可能で、到着15日前まで提出可能

さらに、輸送手段ごとに確認完了の最短期限も定められています。

輸送手段 到着までに確認を完了しておく期限
航空便・鉄道 到着4時間前まで
海上便 到着8時間前まで
陸路 到着2時間前まで

「提出さえすればよい」のではなく、FDAによる確認(confirm)が完了している必要がある点がポイントです。ぎりぎりのタイミングでの提出は、確認が間に合わないリスクがあるため避けてください。

PNC(Prior Notice Confirmation Number)とは

事前通告を提出し、FDAに受理・確認されると、返信メッセージとしてPNC(Prior Notice Confirmation Number)が発行されます。これは「事前通告を適切に行った」ことを証明する番号です。

PNCは、次の場面で必要になります。

  • 貨物がアメリカに到着した際、CBPまたはFDAへの提示が必要
  • 国際郵便で発送する場合、荷物に添付する税関申告書(Customs Declaration)にPNCの記載が必要

つまり、事前通告を提出して終わりではなく、受け取ったPNCを、実際の発送物・通関書類に正しく反映させるところまでが一連の手続きです。

未提出・不備の場合のリスク

事前通告が未提出、またはPNCに不備がある場合、FDA職員は次のような措置を取ることがあるとされています。

  • 貨物の差し止め
  • 返送の拒否
  • 該当施設の登録抹消
  • 悪質な場合の起訴

「知らずに発送してしまい、貨物がアメリカの税関で長期間止まってしまった」という事態を避けるためにも、商業目的でアメリカへ食品を発送する際は、事前通告とPNCの取得を発送プロセスに組み込んでおくことをおすすめします。

発送前チェックリスト

  • 発送する食品が、事前通告の対象品目に該当するか確認したか
  • 個人の非商業目的・少量発送として除外に当てはまるか、それとも商業発送として対象になるかを判断したか
  • 継続的な発送であれば、食品施設登録・US Agentの指定を済ませたか
  • 事前通告を提出方法(ABI/ACE経由 or FDA PNSI経由)と提出期限を確認したか
  • 発送前にPNCを取得し、通関書類(国際郵便なら税関申告書)に正しく記載したか
  • 輸送手段ごとの最短確認期限(航空便4時間前など)に余裕を持って手続きしたか

自分で対応できるケースと、相談したほうがよいケース

自分で対応できるケース

  • 個人が家族・友人へ、非商業目的で少量の食品を送る(事前通告の対象外に該当)
  • 過去に同じ品目でPNC取得の実績があり、手順に慣れている

相談したほうがよいケース

  • 事業として継続的にアメリカへ食品を発送する予定がある
  • 自社の食品施設登録・US Agentの指定がまだ済んでいない
  • 対象品目かどうかの判断に迷う(サプリメント、ペットフード、香辛料など判断が分かれやすい品目)
  • 過去に通関で保留・拒否を経験したことがある

食品の輸出書類の準備は、対象品目の判断や登録手続きが絡むため負担に感じやすい部分です。Hassooでは、FedExを利用したアメリカ向け発送の輸出書類作成をサポートしています。発送する食品の内容をお知らせいただければ、必要な確認事項の整理をお手伝いします。


※本記事は2026年8月時点でFDA(米国食品医薬品局)が公表している情報にもとづく一般的な解説です。対象品目・除外条件・提出手続きは変更される場合があり、個別の貨物が事前通告の対象になるかどうかは品目・発送目的によって異なります。実際の発送前に、FDAおよびCBPの最新情報を必ずご確認ください。

参考情報

よくある質問

A.アメリカへ食品(人間用・動物用を問わない)を輸入・持ち込みする際、到着前にFDAへ電子的に提出が義務づけられている通告です。2002年のバイオテロ法(Public Health Security and Bioterrorism Preparedness and Response Act)にもとづき、21 CFR Part 1 Subpart Iで規定されています。テロや公衆衛生上の緊急事態から食品供給網を守る目的で導入されました。

A.事前通告をFDAへ提出し、FDAが受理・確認した際に発行される確認番号です。この番号が、事前通告を適切に行った証明になります。貨物がアメリカに到着する際、CBP(税関)やFDAに提示する必要があり、国際郵便で送る場合は税関申告書(Customs Declaration)にも記載が必要です。

A.個人が自分・友人・家族向けに送る個人消費用の食品は、事前通告の対象外です。居住地で製造された非商業用のギフトも同様に除外されます。ただし、この除外はあくまで非商業目的・少量が前提です。販売目的や事業としての発送であれば対象になります。

A.人間または動物の飲食に使用される物品、ガム、およびこれらの製造に使用される原材料が広く対象です。加工食品、お菓子、調味料、健康食品、ペットフードなども含まれます。ただし卵製品・家禽・食肉製品はUSDA(米国農務省)の管轄で対象外、輸出予定で港に留まるだけの食品や外交特権で保護される食品も除外されます。

A.提出システムにより異なります。CBPのABI/ACE経由で通関業者が提出する場合は到着30日前まで、FDAのPNSI(Prior Notice System Interface)を使って直接提出する場合は到着15日前までに提出できます。一方で、運送方法ごとの最短提出期限も定められており、航空便は到着4時間前まで、海上便は到着8時間前まで、陸路は到着2時間前までに提出・確認を終えている必要があります。

A.FDA職員が貨物の差し止め、返送の拒否、該当施設の登録抹消、悪質な場合は起訴を含む措置を取ることがあるとされています。通関時に貨物が保留され、届くはずの荷物が長期間止まってしまうリスクがあります。

A.多くの場合、海外の食品施設はFDAへの施設登録(Food Facility Registration)を済ませ、米国内の代理人(US Agent)を指定しておく必要があります。この登録情報が事前通告の提出時にも使われるため、発送のたびに慌てないよう、事業として継続的にアメリカへ食品を発送するなら早めに済ませておくのが安心です。

A.通関業者を通じてCBPのABI/ACE経由で提出する方法と、FDAのPrior Notice System Interface(PNSI)を使って荷送人・輸入者自身が直接提出する方法の2通りがあります。PNSIは24時間365日利用可能です。

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