海外発送の正しい梱包方法|FedEx基準の緩衝材の厚み・二重梱包・H貼りを解説
国際発送の梱包は、国内配送より高い強度が求められます。FedExの梱包ガイドにもとづき、箱の選び方、緩衝材の厚み(全6面に5〜7.5cm)、壊れ物の二重梱包、テープのH貼り、ラベルの貼り方までを解説します。梱包不備は補償の対象外になるため、発送前のチェックリストもご用意しました。

海外発送の梱包は、商品が入るだけの箱に詰めれば十分、というものではありません。FedExの梱包ガイドでは、箱の6面すべてに5〜7.5cm(2〜3インチ)の緩衝材を入れ、壊れ物は7.5cm(3インチ)の厚みで個別に包んだうえで二重梱包し、テープは幅7.5cm以上で「H貼り」にする、という基準が示されています。梱包が不十分な場合、破損しても補償の対象外になる可能性があります。
この記事の要点
- 箱は「商品の大きさ+6面すべてに5〜7.5cmの緩衝材」が入るサイズを選ぶ
- 中古箱の再利用は可能。ただしつぶれ・破れ・穴あきがないものに限る
- 壊れ物は7.5cmの厚みで個別に包み、内箱ごと外箱に入れる「二重梱包」にする
- 商品が箱の中で動かない状態にすることが、緩衝材の厚み以上に重要
- 封かんはテープ幅7.5cm以上で「H貼り」。一本貼りは輸送中に口が開く
- ラベルは最大面に貼り、古いラベルは必ずはがす
- 梱包不備による破損は、FedExの運送約款上、補償の対象外になり得る
なぜ国際発送では梱包の強度が必要なのか
国内配送と国際発送では、荷物が受ける負荷がまったく違います。
国際貨物は、集荷トラック → 国内の仕分けハブ → 航空機 → 現地の通関施設 → 現地の配送網、というように何度も積み替えられます。その過程で、フォークリフトやベルトコンベアで扱われたり、他の貨物の下に積み重ねられたりします。FedExもフレイト貨物の説明の中で、荷物がフォークリフト・飛行機・鉄道・トラックを経由し、大きな温度変化にさらされ、他の貨物の上や下に積まれる可能性があると説明しています。
つまり梱包で備えるべきは、次の3つです。
- 落下・衝撃:積み下ろしの際に落ちる、ぶつかる
- 圧迫:上に他の荷物が積まれ、箱が押しつぶされる
- 振動:長時間の輸送で中身が揺すられ続ける
「そっと運ばれる前提」の梱包では通用しない、と考えてください。国内で何度も無事に届いた梱包方法でも、国際発送でそのまま通用するとは限りません。
箱の選び方
サイズは「6面すべてに5〜7.5cmの余白」
FedExは、箱について商品が入る大きさに加えて、6面すべてに2〜3インチ(約5〜7.5cm)の緩衝材を入れられる大きさを目安としています。「6面すべて」がポイントで、左右だけでなく上下・前後にも緩衝材が必要です。
ただし、箱を大きくすればするほど良いわけではありません。国際配送料金は、実際の重さ(実重量)と箱の大きさから計算する容積重量のうち、重いほうで決まります。必要以上に大きな箱を使うと、送料が跳ね上がります。
必要な緩衝材のスペースを確保したうえで、できるだけ小さい箱を選ぶ。これが送料と安全性を両立させるコツです。容積重量の計算方法はFedExの容積重量とは?計算方法と海外配送料金を抑えるポイントで詳しく解説しています。
中古の箱は使ってもよいのか
使えます。FedExも、しっかりしていて、つぶれ・破れ・穴あき・その他の損傷がなければ再利用は可能としています。日本語の案内でも、頑丈で破損がなく、折り込み部分(フラップ)がすべて付いているものを使うよう求めています。
一方で、次のような箱は避けてください。
- 角がつぶれている箱(強度が大きく落ちています)
- 一度濡れた箱
- フラップが切り取られている、または破れている箱
- 何度も再利用して波打っている箱
段ボールの強度は「角」で支えられています。見た目がきれいでも角がつぶれていれば、積み重ねに耐えられません。
緩衝材の入れ方
商品を「動かさない」ことが最優先
緩衝材の役割は、衝撃を吸収することと、商品を箱の中で動かさないことの2つです。FedExは、商品を箱の中央に置き、全方向に十分な緩衝材を入れ、丸めた新聞紙・バラ緩衝材(ピーナッツ)などで隙間を埋めて動かないようにするよう案内しています。
箱を軽く振ってみて、中で「コトッ」と音がするなら緩衝材が足りていません。輸送中はその何倍もの衝撃で中身が動き続けることになります。
壊れ物は7.5cmの厚みで個別に包む
壊れ物については、FedExはエアキャップ(気泡緩衝材)などで最低3インチ(約7.5cm)の厚みになるよう1点ずつ包むことを求めています。複数の商品をまとめて包むのではなく、1点ずつです。商品同士がぶつかって割れるのを防ぐためです。
包んだあと、箱の中に残った隙間はバラ緩衝材などで埋めます。
重いものは下、軽いものは上
複数の商品を1つの箱に入れる場合、重いものを箱の底に、軽いものを上に配置します。逆にすると、輸送中に重い商品が軽い商品を押しつぶします。
壊れ物は「二重梱包」にする
ガラス製品、陶器、精密機器、美術品などは、二重梱包(ダブルボックス)が基本です。
手順はシンプルです。
- 商品を7.5cmの厚みでエアキャップなどに包む
- 内箱に入れ、隙間を緩衝材で埋める
- 内箱を閉じてテープで留める
- 一回り大きい外箱を用意する
- 内箱の周囲すべてに7.5cm(3インチ)の緩衝材を入れながら、外箱に収める
- 外箱を閉じて封かんする
FedExは壊れ物について、より大きな箱の中に二重梱包し、内箱の中と周囲に3インチの緩衝材を入れるよう案内しています。外箱が衝撃を受けても、緩衝材の層があることで内箱まで届きにくくなる、という考え方です。
高額品や壊れやすい商品では、この一手間が破損の有無を分けます。
封かん:テープは「H貼り」で
H貼りのやり方
FedExが推奨するのは「H貼り」です。標準的な段ボール箱では、中央の合わせ目に沿って1本、その両端の継ぎ目に沿って2本のテープを貼り、アルファベットの「H」の形にします。
- 上面:中央の合わせ目 → 左右の端の継ぎ目
- 底面:同じく3本
底面も必ず同じように貼ってください。輸送中に底が抜ける事故は、底面の封かんが甘いことが原因で起こります。
使うテープと、使ってはいけないもの
FedExが挙げているのは次の3種類で、いずれも幅3インチ(約7.5cm)以上です。
- 粘着テープ(OPPテープなど)
- 水で貼る紙テープ(クラフトテープ)
- 水で貼る補強入りテープ
一方、次のものは強度が足りないため使わないでください。
- セロハンテープ、マスキングテープ
- ひも、ロープでの縛り(仕分け機械に引っかかる原因にもなります)
ラベル(伝票)の貼り方
ラベルの貼り方にも基準があります。
- 箱のいちばん面積の広い面に貼る。ラベルの位置で荷物の上下が判断されやすくなるため、正しい向きで運ばれる可能性が高まります
- テープの継ぎ目をまたいで貼らない。読み取りづらくなります
- 古いラベル・バーコードは必ずはがすか塗りつぶす。再利用の箱に前回の伝票が残っていると、誤配の原因になります
なお、「われもの注意」「天地無用」といった表示について、FedExはその通りに扱われることを保証していません。国際貨物は多数の作業者と機械を経由するため、表示に頼るのではなく、どの向きに置かれても壊れない梱包にしておくことが前提です。
品目別の注意点
パソコン・電子機器
静電気対策として、静電気防止袋に入れたうえで緩衝材で包みます。元の化粧箱がある場合でも、化粧箱のまま送らず、必ず外箱に入れてください。化粧箱は輸送用の強度を想定していません。
液体・化粧品
漏れを前提に、ふたをテープで留め、個別にビニール袋で密封してから緩衝材で包みます。内容物によっては輸出できない、または危険品扱いになる場合があるため、事前の確認が必要です。
パレット貨物
パレット単位の発送では、ストレッチフィルムでの固定、バンド掛け、荷崩れ防止のための積み方など、段ボール1個口とは別の基準があります。木製パレットは熱処理(ISPM No.15)が必要です。詳しくはFedExでパレット(フレイト)は海外発送できる?をご覧ください。
梱包不備は「補償の対象外」になり得る
ここが、梱包をおろそかにできない最大の理由です。
FedExの運送約款(Conditions of Carriage)では、FedExが責任を負わない事由のひとつとして、不適切または不十分な梱包に起因する損害が明記されています。さらに、パソコン・電子機器・壊れ物・アルコール類については、FedExの梱包ガイドに沿った梱包が必要であると特記されています。
つまり、破損して補償を申請しても、梱包が原因と判断されれば支払われない可能性があるということです。申告価額(Declared Value)を設定していても、この点は変わりません。
もう1つ知っておきたいのが、FedExが梱包材を提供したり、梱包方法について助言・案内をしたりしても、それだけでFedExが責任を引き受けたことにはならないと約款に定められている点です。書面で明示的に合意した場合を除きます。
「窓口で相談して詰めてもらったから大丈夫」とは限らない、ということです。最終的な梱包の責任は荷送人(発送する側)にあります。
あわせて読みたい FedExの補償(申告価額・損害賠償)については、FedExの補償・保険とは?申告価額(Declared Value)の仕組みと請求方法を解説で詳しく解説しています。補償が使えるかどうかは、この記事で解説した梱包が前提条件になります。「保険をかけたから安心」と考える前に、まず梱包を見直してください。
発送前チェックリスト
投函・集荷前に、次の項目を確認してください。
- 箱につぶれ・破れ・穴あきがない
- 商品の6面すべてに5〜7.5cmの緩衝材が入っている
- 壊れ物は7.5cmの厚みで1点ずつ包んである
- 壊れ物・高額品は二重梱包にしてある
- 箱を軽く振っても中身が動かない
- 重いものが下、軽いものが上になっている
- 上面・底面ともテープをH貼りしてある
- テープの幅は7.5cm以上
- 古いラベル・バーコードをはがした
- ラベルを最大面に、継ぎ目を避けて貼った
- 箱のサイズが必要以上に大きくない(容積重量の確認)
自分で対応できるケースと、相談したほうがよいケース
自分で対応できるケース
- 衣類、雑貨、書籍など、壊れにくい商品
- 商品に合ったサイズの段ボールと緩衝材が手元にある
- 1個口で、重量が軽い
相談したほうがよいケース
- ガラス・陶器・楽器・美術品など、壊れやすい商品
- 精密機器、高額品
- 大型・重量物、パレット単位の発送
- 液体、電池を含む商品など、内容物に制限がかかる可能性があるもの
- 過去に破損した経験がある商品
Hassooでは、FedExの正規割引をご案内するだけでなく、商品の性質に応じた梱包方法もあわせてご相談いただけます。梱包をやり直すことになると再集荷の手間と時間がかかります。判断に迷う場合は、発送前にお問い合わせください。
参考情報
よくある質問
A.求められる強度が違います。国内配送に比べ、国際貨物はトラック・飛行機・現地の配送網と何度も積み替えられ、その過程でフォークリフトで扱われたり、他の貨物の下に積み重ねられたりします。気温や気圧の変化も加わります。国内で問題なく届いた梱包でも、そのままでは国際発送に耐えられない場合があるとお考えください。
A.商品が入るだけでなく、上下・左右・前後の6面すべてに5〜7.5cm(2〜3インチ)の緩衝材を入れられる大きさが目安です。ただし箱を大きくしすぎると容積重量が増えて送料が上がるため、必要な余白を確保したうえで、できるだけ小さい箱を選ぶのがコツです。
A.使えます。ただし条件があり、しっかりしていて、つぶれ・破れ・穴あき・その他の損傷がないものに限ります。角がつぶれた箱や、一度濡れた箱は強度が大きく落ちているため避けてください。フラップ(折り込みのふた)が全部そろっていることも確認しましょう。
A.壊れ物の場合、エアキャップ(プチプチ)などで最低7.5cm(3インチ)の厚みになるよう、1点ずつ包むのがFedExの基準です。そのうえで箱の中の隙間を緩衝材で埋め、商品が動かない状態にします。厚みそのものより「商品が箱の中で動かないこと」が重要です。
A.商品を入れた内箱を、さらに一回り大きい外箱に入れる梱包方法です。内箱の周囲すべてに7.5cm(3インチ)の緩衝材を入れます。外箱が受けた衝撃が内箱に直接伝わらないため、ガラス製品・陶器・精密機器などに有効です。
A.箱の上面で、中央の合わせ目に1本、その両端の継ぎ目に沿って2本を貼り、アルファベットの「H」の形にする貼り方です。底面も同じように貼ります。中央だけを留める「一本貼り」は輸送中に口が開く原因になります。テープは幅7.5cm(3インチ)以上のものを使ってください。
A.FedExが推奨しているのは、粘着テープ(OPPテープなど)、水で貼る紙テープ(ガムテープ)、水で貼る補強入りテープの3種類で、いずれも幅7.5cm(3インチ)以上です。布テープでも構いませんが、ひも・セロハンテープ・マスキングテープは強度が足りないため使わないでください。
A.箱のいちばん面積の広い面に貼ります。ラベルの向きで荷物の上下が判断されやすくなるため、正しい向きで運ばれる可能性が高まります。テープの継ぎ目をまたいで貼るのは避けてください。読み取りづらくなります。また、再利用する箱に古いラベルやバーコードが残っていると誤配の原因になるので、必ずはがすか塗りつぶしてください。
A.受けられない可能性があります。FedExの運送約款(Conditions of Carriage)では、不適切または不十分な梱包に起因する損害について、FedExは責任を負わないと定められています。とくにパソコン・電子機器・壊れ物・アルコール類は、FedExの梱包ガイドに沿った梱包が求められています。申告価額(Declared Value)を設定していても、梱包不備が原因と判断されれば補償されないことがあります。
A.はい。Hassooでは発送のご相談の中で、商品の性質に応じた梱包方法もご案内しています。壊れ物・高額品・大型品など、判断に迷う場合は発送前にご相談ください。梱包をやり直すことになると再集荷の手間と時間がかかるため、事前の確認をおすすめします。